舛添知事は奨学金を返済したか?:給付型奨学金と貸与型奨学金
かなり以前から気になっていたのですが、舛添知事が奨学金制度についてした発言を、おときた議員がブログで紹介しています:
それによると長文の引用ですが、以下のようなお話であったそうです:
「共産党・民主党から提起された
「給付型の奨学金を、東京都も独自に増やすべき」
という質問に対して、舛添知事から興味深い答弁がありました。
「自分としては、給付型の奨学金というものはいかがなものかと思っている」
と…。いわく、舛添知事も高校生の時に父親をなくし、母子家庭で育った。
その後の学費は貸付型の奨学金を借りて補い、卒業後に返済をした。
当時は今よりも遥かに貧しい時代だったが、借りたものを返さなければという一心で学業も卒業後の仕事も頑張った。そしてそれが達成できたからこそ、
私はいま都知事としてここにいる。
給付型の奨学金にも良いところはあるが、財源は限られている。
貸付型であれば、しっかりと借りた人が返済をすれば、そのお金はまた後に続く人たちの奨学金となる。
こうした貸付型の「重み」「想い」が大きな意味を持つのではないか…
というのが、発言の趣旨であったと記憶しています。」
伝聞によるお話となるのですが、ここで気になるのは舛添知事の経歴です。ウィキペディアによると以下のように記載されています:
「1971年7月1日 東京大学法学部政治学科助手に着任」
「1979年4月 東京大学教養学部政治学助教授に着任(1989年6月退任)」
大学教員をなさっていた期間は10数年といったところでしょうか。
ここで気になるのは、旧育英会の奨学金の公務員(および外郭団体)(教員・研究職)への返済免除規定でしょうか:
返還特別免除のてびき(廃止)-2.返還特別免除を受けるための条件 - JASSO
これによると、
「免除職に通算して5年以上、15年間在職しなければなりません。
在職年数5年以上で一部特別免除が受けられます。」
ということですから、10数年の大学教員勤務期間があれば、少なくとも一部免除は受けられることになりますね。
もちろん、一部免除された金額は、「そのお金はまた後に続く人たちの奨学金となる」ということはありません。
まさかとは思いますが、舛添知事は、奨学金返済の免除を受けておきながら、「貸付型奨学金」の理念を自分の返済体験として議会で語って、その実体験を説得材料にして「給付型奨学金」に反対である、なんて言っていたわけでは、ないですよね。